「うしおととら」「からくりサーカス」で有名な藤田和日郎さんの短編です。
短編といっても単行本2冊あります。
なんと、フローレンス・ナイチンゲールの話です。
ナイチンゲールといえば、看護師であることが有名ですね。
いろいろ改革をして人を救ったことでも有名です。
「ゴーストアンドレディ」あらすじ
幽霊のグレイは、生前は決闘代理人だった。
決闘代理人とは、決闘する人がお金で雇って代わりに決闘をする職業(?)で
死と隣り合わせの命がけの仕事である。
グレイは死んだ後に幽霊となって、ある劇場にいた。
劇場でフローレンス(以下フロー)に出会い、取り殺してくれと頼まれる。
(なぜかはヒミツ♪本編をお楽しみに)
ところがすぐに取り殺さず、やがてフローは自分で自分の道を歩き始め
看護師として活躍してゆく。
フローが幽霊のグレイと出会い、数々の苦難を乗り越え、
その中でお互いに惹かれ合ってゆくという話です。
中だるみなし、全編通して読みごたえ抜群(個人の感想です)。
読んだ後の爽快感というか、よかったな感のある作品です。
見どころ
見どころは、なんといってもクリミア戦争の病院の悲惨さの中でフローが頑張るところです。
フローがたどり着いたところは、けが人や病人がろくに治療もされずに
ただ床に寝かされているという悲惨なところでした。
一番印象に残ったところは、もうすぐ死にそうな患者にずっと付き添って、
最後まで見届けてあげるところです。
人はいつか死にますが、その間際にずっとついていてくれる人がいたらどんなに嬉しいことでしょう。
なんて強く、優しい人なんだろうと思いました。
感想
藤田和日郎さん独特の怖い幽霊とかがたくさん出てきます。
フローも最初は目がちょっと怖いです。
何しろ死にたがっているわけですから、尋常な精神状態ではないわけです。
そんなフローがやがてどんな困難にも立ち向かってゆき、
時には挫折し弱音を吐く姿もありますが、とにかくカッコイイです。
そしてグレイに惹かれてゆくフローがどんどんかわいくなっていきます。
かわいいけど、カッコイイ。
カッコかわいいですね。
おまけ
藤田和日郎さんの黒博物館という短編のシリーズはほかにもあります。
2022年11月には、「三日月よ、怪物と踊れ」の2巻が出ています。
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