どろろは、2019年に放映された手塚治虫さん原案のアニメです。
1969年(白黒アニメ)、2019年と2回アニメ化されました。
実に半世紀ぶりのリメイク作品ということになります。
2019年版は大胆なアレンジがありますが、非常にうまく出来ていると思います。
個人の感想です。
どろろ(2019)すごいざっくりとしたあらすじ
百鬼丸(ひゃっきまる)は
身体の48か所を魔物に奪われた状態で生まれ
すぐ小舟に入れて川に流されてしまう。
運よく医者の寿海に拾われて
義手や義足など身体のほとんどを
作ってもらい成長していった。
しかし、魔物が寄ってくるようになり
百鬼丸は自分の身体を取り戻す旅に出る。
旅先で孤児でコソ泥のどろろを出会い
百鬼丸の強さを目の当たりにしたどろろは
百鬼丸についていく。
百鬼丸は身体を取り戻せるのか?
どろろの秘密とは?
すごいざっくりとした原作との違い
ざっくりとした違いを表にしてみました。
原作 | アニメ(2019) | |
百鬼丸 | ・見た目は普通。表情あり。 ・喋れる ・声も聞こえる ・見える ・年齢14才 ・ボロボロの着物 ・どろろは最初は迷惑だと思っていたが のちに離れた時に寂しいと思うようになる。 | ・無表情 ・喋れない ・聞こえない ・見えない ・年齢16才 ・まだマシな着物 ・どろろには最初は無関心だったが だんだん必要な存在になっていく。 |
どろろ | ・百鬼丸の刀を狙い付きまとう。 刀を奪って金にしようとしていた。 途中からは相棒のような感じになり 刀を売る考えはなくなったよう。 ・最終話で女の子だと判明 | ・百鬼丸の腕で金儲けを考えている。 つまり、プロデューサー。 途中から金儲けのことは関係なく 面倒みてやらないとならない アニキと思うようになる。 ・早い段階で女の子だとわかる |
細かく言うと、原作ではセリフはあるけれども、
魔物を倒して声を取り戻した話があり
それまでは何かしらで声を出していたような
記載があったと思います。
百鬼丸の大胆なアレンジ
原作では、百鬼丸は剣の腕のたつ
頭もいい(と思われる)かっこいい少年です。
どろろの兄貴的存在で、
魔物を察知しどろろに
動かないように指示したり
頼れる存在です。
ところが2019年のアニメでは
見えない、聞こえない、喋れない
ヘレンケラーのような三重苦を追った
どろろにとってはどちらかというと
助けてやらなくちゃならない存在に
なっています。
魔物を倒して身体を取り戻していく
その中で人間らしさも取り戻していく。
そして話が進んでいくと
百鬼丸もどろろを頼りにしている
ような描写があります。
多宝丸(たほうまる)とお付きの2人
多宝丸は百鬼丸の実の弟で
醍醐の跡継ぎ。
アニメ版では幼少期からの
お付きの2人(陸奥と兵五)がいます。
多宝丸は醍醐の民を守る使命を持った
若き次期当主と描かれており、
それを支える弓の名手:姉の陸奥(むつ)
力強い大きな身体の弟:兵庫(ひょうご)。
2人の忠誠心が心あたたまります。
みおのアレンジ
百鬼丸が好きになる女の子、「みお」。
原作では可憐な優しい女の子ですが
アニメ版では芯の強さも持っている
たくましさもあります。
ちなみにアニメ版ではミオ。
戦災孤児たちと畑を作る夢を持っています。
原作にはないオリジナルの話も面白い
原作にはないオリジナルの話の回もあります。
これが結構面白いです。
天邪鬼に為、あべこべの言葉を
発してしまう村にいった話は
百鬼丸が危うく村の娘と結婚
しそうになったり面白いです。
琵琶丸さん
原作にも出てくる謎の盲目の人物
琵琶丸さん。
剣の腕もたち、あんまもやり
時々現れてはどろろと百鬼丸を
助けてくれます。
私はこの声優をやっている
佐々木睦さんが凄いと思いました。
渋みと温かみのある声です。
どろろにお金のことを話す時に
「金っていうのは、いいもんだよ」
っていうセリフがおぉぉーーーー!
ッと心に響ました。
そうだよね~うんうん(笑)。
書籍情報と1969年版アニメと実写映画
昔はサンデーコミックスで出ていましたが、
当時の表紙と同じで
講談社コミッククリエイトから
文庫で出ています。
1969年版アニメは白黒です。
百鬼丸がちょっと大人っぽい感じになっています。
どろろの声優は松島みのりさん
百鬼丸の声優は野沢那智さんがやっています。
実写版は柴咲コウさん・妻夫木聡さん主演で2007年公開。
どろろは女泥棒となっており
柴咲コウさんがぶっきらぼうな
話し方でどろろを表現しています。
感想
原作を学生時代に読んで
物凄いハマりました。
正直、どろろがまたアニメ化される
と聞いて、期待はしてなかったのですが
凄い面白かったです。
百鬼丸が最初は喋れなくてセリフない
人形のように無機質なのが
どんどん人間らしくなっていく。
そしてどろろの明るさ、強さが
とっても魅力的です。
また、どろろに釣られて読んだ
「どろろ梵」も面白かったです。
これもまた大胆なアレンジです。