漫画備忘録:「町からきた山猿」

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「町からきた山猿」は1974年に小学館の「小学六年生」に掲載された漫画だそうです。

2023.10.22更新して長くなっています。

こんなピンポイントで掲載された漫画を

なぜ覚えているかまったく覚えていませんが

この漫画が非常に印象的でした。

結構心温まる話です。

※一部ネタバレあります。ご注意ください。

「町からきた山猿」ざっくりとしたあらすじ

ある山の中。

ハイキングをしていた少年少女は

道に迷ってしまった。

途方に暮れる少年少女達の前に

ハチに追われた同い年ぐらいの少年が現れる。

ハチがいなくなると、少年は刺されたところを

おしっこをかけて対処する。(※1)

少年はお腹が空いた少年少女達に

アケビの実の食べ方を教えたり

道を教えたりしてくれた。

少年のおかげで無事家に帰れた

少年少女達。

少年の山での慣れた行動に感動し

言うなれば自然児よね、と言う。

※1 ハチに刺されたらおしっこをかけるというのは昔の迷信。

   おしっこに含まれるアンモニアが昔は毒を中和すると思い込まれていました。

   現在は逆に時間が経つと雑菌が増えてよくないそうです。

東京だけど、山猿みたいな主人公

主人公の少年(のちにゲンシくんと判明)は、

東京から来たといいます。

髪の毛ボサボサで、服もちょっとボロい。

東京から来た山猿みたいな少年で

町からきた山猿、というわけですね。

目が+で、ちょっとピエロみたいです。

ピエロってなんでもできる

サーカスのスターですよね。

山のことをよく知っていて

迷子の少年少女を導いてくれます。

それもグイグイ引っ張っていくのではなく

こっちだよーという感じで

優しく教えてくれます。

コミックス化されていない

探してみましたがコミックスは

見つけることができませんでした。

書籍化されていないのだと思います。

作者は滝瀬尚信さん

記憶があいまいなのですが、

絵もよかったし、話も面白かったので

どうにかしてこの漫画について

もっと調べたいと思いました。

調べたところ、作者は滝瀬尚信さん。

「町からきた山猿」以外にも

小学館の学習雑誌での漫画の連載がありました。

その一つ、「がにまたのカッパ」については

最後に記載します。

小学六年生の1974年から1975年に掲載

「町からきた山猿」は小学館の学習雑誌・小学六年生に

1974年3月号から1975年4月号まで連載していました。

以下、表にまとめました。

No発行年月番号   内容
11974-0226(11)ゲンシくんが東町小学校の少年少女とスキー場で合う。
吹雪で一緒にビバークする。
21974-0326(12)東町小学校続き。救助されるまで。
31974-0427(1)友達の紹介(?)で小桜町の学校の野球部の
コーチを頼まれる。
41974-0527(2)小桜町野球チーム続き
51974-0527(3)小桜町野球チーム続き
61974-0627(4)小桜町野球チーム続き
71974-0727(5)小桜町野球チームの話ここまで。ゲンシくんのコーチで小桜チームは逆転。
81974-0827(6)ゲンシくんが山の中で南町小学校の少年少女と出会う。
彼らは落雷でキャンプ道具が壊れ、下山しようとするがコンパスも壊れる。
ゲンシくんがつけた帰り道の目印をいたずらしたので帰れなくなる。
ゲンシくんの迎えが一週間後にくるのでそれまで一緒に過ごすことになる。
91974-0927(7)南町小学校続き
101974-1027(8)南町小学校の話ここまで。全員無事で帰る。
111974-1127(9)ゲンシくんが川でザリガニ取りをしていて北町小学校の少年たちと出会う。夜に川にザリガニを取りに行って生首のゆうれいと会う。
121974-1227(10)北町小学校続き
131975-0127(11)北町小学校(西町小学校の子供たちが加わる)続き
141975-0227(12)北町小学校続き。最終回。
ゆうれいは彼らに意地悪を受けた宮尾くんの仕返しだった。
ゲンシくんがはらはじめくんだとわかる。
※国立国会図書館で読んだ

全部で4シリーズです。

シリーズ1:No.1~2雪山ビバーク編

シリーズ2:No.3~7野球コーチ編

シリーズ3:No.8~10キャンプ編

シリーズ4:No.11~14生首のゆうれい編

上に書いた私の記憶は

どうやらシリーズ3でした。

西町小学校の有名な凄い秀才、はらはじめくん

全編の基本構成は

ゲンシくん(はらはじめくん)が

行く先々で最初はおかしなやつ扱いされます。

西町小学校の生徒だと言うと

あそこには有名な秀才の

はらはじめというのがいるが

知っているかと聞かれます。

恥ずかしがっている間に

話ははらはじめの噂のことになり

自分がはらはじめだと言うのを

誰も聞いてくれません。

はらはじめだとわからないまま

変なやつだと思われてみんなに

相手にされませんが

危機の時に知識と知恵で

みんなを助けます。

みんなに感謝され、最後にはらはじめだと

いうことがわかります。

ゲンシ=原始=はらはじめ

最後のゆうれいの話で、

北町小学校の子たちと

西町小学校の子供たちが

銭湯で出会いケンカになります。

生首のゆうれいが出る川に

ゲンシくんと北町小学校の子が

再び行きますが、今度は

西町小学校の子たちもやってきます。

その時、西町小学校の子は

ゲンシくんのことを「はらくん」と呼びます。

北町小学校の子はビックリします。

きっと心の中でこう思ったと思います。

以下、筆者の解釈です。

(はらくん?西町小学校の有名な秀才のはらはじめって、この子?)

そんな北町小学校の子に西町小学校の子は

「おまえら漢字はにがてかしらんが、これなんて読む?」

といって、原始という漢字を見せます。

「ちぇっ、げんし じゃねえか」

「ほかに読み方があるだろう。ほかに」

「あっ」

というわけでゲンシくんの本名は

原始(はらはじめ)とわかります。

滝瀬尚信さんの「がにまたのカッパ」

町からきた山猿を調べていたら

1977年9月~1978年2月発行の

小学四年生で「がにまたのカッパ」

という連載を見つけました。

内容は「町からきた山猿」と

似ていますが、カッパくんは

そんなに有名な子ではないです。

背が低くてかわいくて

人のよさそうな感じです。

よくいじめられますが

秀才の子などには彼が実は

頭もよく柔道も強いとわかり

みんなの見る目が変わります。

滝瀬尚信さんの「やあい!つりばか」

さらに1980年4月~1980年5月発行の

小学四年生で「やあい!つりばか」

という短編を見つけました。

主人公の「つくす」くんは

優しくて温厚な男の子。

釣りが好きでいつも釣りをしています。

そんなつくすくんに、立平くんたち3人

(りっぺい、バッタ、カナブン)は

自分たちが釣れなくて突っかかります。

立平くんがつりそこねた大きな魚の

正体を調べるためにつくすくんは

その魚を辛抱強く狙います。

つくすくんの狙い通り、その魚は

フナでした。

つくすくんの優しさと知識を認め

立平くんたちは謝って仲良くなります。

つくす、りっぺい、バッタ、カナブンの

頭の1文字をあわせて

「つりばか」というわけです。

滝瀬尚信さんの漫画は面白い

滝瀬尚信の漫画が面白かったので

また違う作品を探してみたいと

思うようになりました。

「町からきた山猿」のあとに、

同じく小学六年生で「おれは海の子」

という漫画を描いていることを発見しました。

↓「おれは海の子」の記事はこちら

漫画備忘録:おれは海の子(1975)
「おれは海の子」は1975年に小学六年生に掲載された滝瀬尚信さんの漫画です。昭和40年代ごろの港のない離島の話です。主人公の海太は家族がいなく、親戚の家に引き取られていた。ある日、島にやってきた赤潮という人物が行方不明のお父さんのことを知っているらしいことがわかる。
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